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セミナー講演録
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トラブルが多い労務管理の要点 |
■トラブルによって職場が改善された
いろいろな労務相談を受けるなかで、私が一番重要だと思ったことは「何より証拠があること」ということです。そして、労務的なトラブルがあることを想定して、いろんなものを必ず取っておく。例えば、就業規則について説明したかどうかを含めて、 入社時の研修レジュメは取っておくのです。
私の経験から得た教訓と実践すべきことは、次の8つの項目にまとめられます。
@解雇はできるだけ避け、退職勧奨しながら合意退職に持っていくこと。裁判をしても会社に
とってプラスはない。
A能力不足やミスにより会社が損害を受けた場合は、解雇をする前に文書で注意をして、始末書
を必ず取る。「勤怠改善勧告書」を出すのも一例。
B採用決定前に必ず前職の会社に電話して、退職時の状況や働きぶりを確認すること。
今は、個人情報保護法があるので答えない企業もあるが、普通は「よくやってくれた」 と
回答することが多いが、答えのない場合は、あまりよくなかったと思ったほうがいい。
C残業手当は必ず支給すること。
D営業手当、秘書手当等残業手当代わりに支給しているものには、残業手当の名を入れること。
E夏季休暇など特別休暇については就業規則に明記せず、運用で処理すること。
F社員が不正をしている場合はメールで発見される場合が多い。
メール等は会社がさ かのぼってチェックできる体制をとり、その旨をパソコン取扱規程などに
明記すること。
G入社時には、就業規則の説明や労働条件通知書の交付などを必ず実行する。
「就業規則はある」というだけでは、何かトラブルがあったときには労基法違反になる。
入社時に必ず説明し、いつでも、パソコンで見える状況にしておくこと。
私自身、顧問先の労働トラブルの相談を受け、対処することによって、とても勉強になりました。 それらの顧問先では、そうしたトラブルがあったゆえに、社員の方々は今はいきい きと働いております。それは、トラブルが起こったことによって、会社の労働条件が改善された結果ではないかと、私は思えてなりません。
最後になりますが、万が一労務トラブルで裁判になったときの人事担当者の心得なるものをお話ししたいと思います。労務トラブルに限りませんが、裁判になったときの心得と思って下さい。
こんなことを言うと弁護士の皆さまに怒られますが、裁判で誰が一番喜ぶかというと勝った当事者はもちろんですが勝訴した弁護士だと思います。資格ビジネスに携わる心得として、できるだけ時間をかけずに依頼者を満足させかつ、報酬を高くいただくということを聞いたことがあります。
それは余談として、裁判になったときの担当者として注意していただきたいことがあります。
@弁護士に委任したのだからといってすべて任したと思わないこと
A法廷や裁判所での話し合いには必ず出席すること、此方が真剣であることを相手にも
依頼弁護士にも知らしめる。
B裁判官はできるだけ判決を書かずに和解に持ち込みたいと思っている。裁判件数をより多く
こなすのができる裁判官(裁判所内での評価)であるらしい。
C弁護士もできるだけ早く解決したいと思っているはず。件数を成せば売上が上がる。
D当事者がそのような状況ですから、言いなりになって簡単に和解に持ち込まないこと。
できるだけ時間をかけてもいいから此方に有利になるよう交渉してもらうこと。
E依頼された弁護士はどうしても保守的になりがちで、此方側に不利な判決が出ることを
エクスキューズすることが多い。つまり負ければ想定内であり、勝てば自分の手柄になるから
でしょう。
F弁護士が作成した文章もできるだけ詳細に読むこと。
G意外と誤字脱字が多いし、裁判官も法律よりも文章の表現で弁護士ができるかどうか
判断する場合もあると聞く。
H当事者の陳述書はできるだけ、残された証拠を元に積極的に書いたほうがいい。
I裁判に入ると本当に長丁場になると思ったほうがいい、大体公判が1ヶ月に一度しか
行われない。
J弁護士にとって正義は何かというと依頼人を勝訴させることである。
Kしたがって、法廷内でもけんかを売るような罵声を浴びせたりするし、法律的に正しくないと
思っていても依頼人のためにいかに正しくするかを考えて発言している。
でも、やはり弁護士は弁護士です。大抵の人は人間的にも立派な人です。一度依頼したらできるだけ信頼してあげることが裁判に勝つ大事なポイントであることは間違いありません。
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